2009年12月22日火曜日

Google Book Search

Google社がGoogle Book Searchの書籍検索について物議を醸している。

このGoogle Book Searchは図書館の蔵書をスキャンして、インターネット上から全文検索ができるシステム。日本では慶應義塾大学が著作権保護期間が満了した書籍約12万冊をGoogle Book Searchで検索できるように公開をする。今のところいくつかの米国の大学がこのプロジェクトに参加をしている。

さて、このシステムが問題とされているのは、著作権保護期間が満了した書籍だけでなく、著作権で保護された絶版書籍も対象としている点など。それによって出版社に影響を与えるのではないか。また、このプロジェクトによりGoogle社が広告で儲けるが、作者や出版社には報酬がないなど、いくつかの問題点が指摘されている。

今回はフランスの大手出版グループMartiniereが民事訴訟をして、著作権侵害を認める判決を下した。これによりフランス書籍の抜粋をGoogleのデーターベースから削除をしないと罰金が科せられることになる。

Google社としては著作権で保護された絶版書籍についてはGoogle Book Searchで閲覧できるのは書籍のごく一部分だけであり、それにより書籍が売れるチャンスができる。出版業界の役に立つとコメントを述べているそうだ。

さて、私は著作権のあり方やインターネットを活用したナレッジシステムのあり方、また図書館のあり方など、今後の書籍について多く事を考える時代が来ていると思う。紙からデジタルへ。情報が記された媒体の選択肢が増えることで、今後どのような利用を考えていくのか。急には変化は無理だろうけれど、どこかへ向かっては行くことは避けられない。

前にもブログに書いたが、媒体のないコンテンツは素晴らしい価値はあっても価格はない。現在は媒体を通じて流通コストがコンテンツの価格を決める。その媒体にかかる流通コストが限りなく無料であれば、コンテンツは価格を持つのが難しくなる。今後はコンテンツに対する価格の考え方や、インターネットにおける新しい流通システムを創らないと、コンテンツを作っている人たちは大変なことになりそうだ。

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