2017年7月3日月曜日

島根県雲南市のコウノトリはなぜ誤射で死んだのか

5月、雲南市で雛を育てていたお母さんコウノトリが誤射で死んでしまったと記事があった。そして残されたお父さんコウノトリが一羽で子育てを頑張っていたが、育てるのは難しいだろうと人間が雛を保護をすることになった。

もともと日本で生息していたコウノトリは巣を作るための木の伐採と農薬の散布などで一度絶滅をしている。そこで中国やロシアからコウノトリを譲り受け繁殖をおこなって放鳥を始めた。実はトキも同じ境遇。

この平成の時代、真っ白になるほど農薬を使わなくなったので、田んぼにもメダカ、オタマジャクシやカエルが帰ってきた。徐々に山陰でも身近なところで蛍を楽しめるようになってきた。川にも魚たちが増えている。コウノトリやトキの放鳥が可能になる環境だ。

同じものを食する野鳥としてシラサギやアオサギのサギたちもいるが、鮎などを食べてしまう、田を荒らすなどで駆除されている。

さすがに昭和の時代みたいに農薬で駆除することはないみたいだが「サギを駆除中」とかののぼりが増え始め、最初はミサイル花火などで脅していたのだが、今は鉄砲を撃つ人まで出てきた。

絶滅危惧種のコウノトリは保護されているが、増えすぎてしまったサギなどは鉄砲で撃たれ駆除されるという事態。

ただサギもコウノトリも同じものを食べるので、サギの群れとかアオサギの群れに向けて鉄砲で撃つと、そこにいたコウノトリにも当たって死んでしまう。

巣作りに励むサギたち

サギもコウノトリも木の上などの高い場所に巣を作り、卵を産み、抱卵して、やっと卵から雛がかえる。そして雛たちに食べものを与えるため、どちらのお父さんやお母さんも一生懸命に田畑や川に飛来して、魚や蟹やオタマジャクシなどを捕まえて雛に与える。

雛たちは、お父さんとお母さんが食べものをくわえて帰ってくるのを楽しみに待っているが、鉄砲で撃たれてしまうと、もう帰ってくることはない。それはサギもコウノトリも、そしてトキも同じということを忘れてはならない。

生物学的な分類メモ
・コウノトリ:コウノトリ目コウノトリ科
・シラサギ:コウノトリ目サギ科
・トキ:ペリカン目トキ科
・アオサギ:ペリカン目サギ科

撮影:Canon EOS 7D Mark II SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary